総務省主導の超小型火星探査機は2020年に火星到着の夢を見るか?








総務省主導の超小型火星探査機は2020年に火星到着の夢を見るか?

『日本が2020年に火星探査機を飛ばす』
それは2017年3月13日の朝日新聞の記事から始まりました。

自分は宇宙好きで、その中でも火星探査に滅茶苦茶興味があったので、
火星探査に関する情報は良くチェックしていたのですが、この情報は初耳でした。

総務省主導の超小型火星探査機は2020年に火星到着の夢を見るか?

なんでも総務省の専門家会議で、火星を周回する超小型衛星を
情報通信研究機構(NICT)が開発を担当、2020年に火星に向けて打ち上げられるとのこと。
任務は火星の地表にある水や酸素の検出を目的。

この記事を見た瞬間、私は朝日新聞の誤報、又は飛ばし記事ではないかと疑いました。

そもそも惑星探査ってJAXAの宇宙科学研究所(ISAS)が担当している分野で、
惑星探査機の予算は300億円くらい、小型の探査機でも100億円の一大プロジェクトです。
企画から打ち上げに至るまで何年もかかり、下手すれば十年単位になります。

そんなプロジェクトが僅か数年で決まるはずが無い、
私はそう思っていました。

Twitterの宇宙に詳しい人々もこのプロジェクトの存在は今まで全く聞いていなかった様で、
「何これ?」という戸惑いの声ばかりでした。

よくよく調べてみると読売新聞の2017年1月9日の記事で、
朝日新聞と似たような記事が既に掲載がなされており、誤報ではなさそうです。

NICTと東大、大阪府立大の研究チームが火星を調べる超小型探査機の開発に
『総務省所管の情報通信研究機構(NICT)と東大、大阪府立大の研究チームが、
火星を調べる超小型探査機の開発に乗り出します。火星探査で日本は出遅れており、
50cm角程度の大きさで開発期間が短く、低コストの探査機を作ることで、頻繁な探査を可能にし、存在感を高めたい考えです。』

しかし、肝心の総務省やNICTからは正式なプレスリリースは出されてはおらず、
次第に人々の記憶から忘れられつつあるのが今の現状です。

あれから4ヶ月以上が経ち、進捗が気になった私はネットでプロジェクトの進捗を
追うことは出来ないか試すことにしてみました。

Googleで「超小型衛星 火星」とキーワードを打ち込んでも
前述の朝日新聞の記事ばかりで、他のワードでも同じような結果でした。

そこで発想を変えて「NICT 火星」と打ち込んで見ました。

なぜなら情報通信研究機構(NICT)は総務省所管の国立研究開発法人で、
主に電波や通信技術の研究を行っている機関です。

最近では、宇宙空間の産業利用の為、小型衛星の開発も扱っているので、
何かプレスリリースが出ていないかと踏んだからです。

すると、出ました!
以下の資料です。

[PDF]資料3-8 惑星資源探査 小型テラヘルツ探査機 - 総務省

総務省所管の情報通信研究機構(NICT)と東大、大阪府立大の研究チームが、 火星を調べる超小型探査機の開発に乗り出します【1】

総務省所管の情報通信研究機構(NICT)と東大、大阪府立大の研究チームが、 火星を調べる超小型探査機の開発に乗り出します【3】

中身を見ると、3月13日の朝日新聞が報道していた超小型火星探査機です!
これで本気で火星探査を目指すことが分かりました。

NICTはテラヘルツという通信技術を利用するので、
小型、軽量、開発期間の短縮、低コストを実現するのですね。
さらにテラヘルツのリモートセンサー観測で、

・大気の中の分子(酸素など)を同時に分別してスペクトル観測
・地表面の氷検出(誘電率から推定)が可能なんですね。
わずか8kgの探査機でここまで出来る。

さらなる情報を求めて「火星 テラヘルツ」とGoogleで検索してみると....

出ました!

超小型火星探査機のTHz帯ヘテロダイン分光リモートセンシングによる火星大気観測プロジェクト
『現在、東京大学航空工学研究科の中須賀研究チームが火星への超小型深宇宙探査機/着陸機の検討を進めており、
我々はこれに搭載可能な簡易なTHz帯のヘテロダイン分光システムの開発検討を進めている。』

2017年5月21日の日本地球惑星科学連合会のポスターセッションで発表されたのことで、
これは決定的です!

本当に火星に超小型衛星を飛ばすんだ!

発表内容を見ると「火星への超小型深宇宙探査機/着陸機の検討」とのことで、
ちょっと凄いです。

しかし、ここで疑問が出ました。いくら低コスト、
短期開発で済むと言え、発表が関係機関から出ていないのか?

またまた調べてみると次の記事が

宇宙ICT市場、倍増へ=高速衛星通信など重点-総務省が報告書
『総務省は21日、宇宙分野での情報通信技術(ICT)の活用促進に向け、
2030年代早期に市場規模を現在の2倍強の1兆7400億円に拡大させる数値目標などを盛り込んだ
報告書案を正式に公表した。同日の有識者会議で示した。7月に最終的なとりまとめを行う。
報告書案は、宇宙分野のICT活用に向け、観測衛星から得られるデータの自由な利用、
高速衛星通信を使ったIoT(モノのインターネット)サービス実用化、超小型衛星による月や火星の資源探査、
宇宙環境情報を活用した「太陽嵐」などの被害防止-を重点4分野に指定。』

つまり7月31日の最終会議で実施が正式なものになるのですね。
以下は総務省からのページで一般人も傍聴できるそうです。

宇宙×ICTに関する懇談会(第10回)開催案内

この宇宙ICTの内容についてはPDFで公開されており、81ページの大ボリュームで以下より参照できます。
超小型火星探査機については71ページに記載があります。

[PDF]宇宙×ICTに関する懇談会 報告書(案)

今後どうなるかは、正式な発表を待ちますが、
火星探査に挑む可能性が極めて高いのではないでしょうか?
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[ 2017/07/23 23:48 ] スペースX | TB(0) | CM(0)

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